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再稼働後の「原子力発電所」の安全対策って?電力会社に聞いてみた(後編)

2023.09.08

玄海原子力発電所

日本を取りまくエネルギーの今を伝えるべく、Concent編集部きっての好奇心旺盛なCon(コン)ちゃんが突撃取材! 第28回のテーマは、前回に引き続き「原子力発電所の再稼働」。前編では、九州電力の現場担当者に原子力発電所が再稼働に至るまでの話を聞いたところ。後編では、再稼働後も行われるさらなる安全対策をConちゃんがお伝えします!

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Conちゃん、再稼働後も続く安全対策に驚く

原子力発電所は、国が定めた厳しい新規制基準をクリアして、ようやく再稼働にこぎつけることを知ったConちゃん。

>前編はこちら『「原子力発電所」ってどうやって再稼働するの?電力会社に聞いてみた』

それに、原子力発電所の安全対策だけでなく、地域の皆さんから理解をいただいて、初めて再稼働できることがわかった。

玄海原子力発電所01

再稼働した後の原子力発電所の安全対策って何をやるんだろう。

Conちゃん

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佐藤「例えば、テロリズムによって原子炉の冷却機能が損なわれることまでを想定して、別の場所に同様の機能をもつ施設(特定重大事故等対処施設)を設置することが新規制基準では求められているんだ。この施設は設置期限が原子炉施設本体の工事計画認可から5年と定められているから、再稼働後も安全を最優先に工事を進めていたんだ」

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佐藤「事故時の指揮所の工事も進めているね。現在も新規制基準に適合した緊急時の対策所を運用しているけれど、さらに支援機能を充実させた緊急時対策棟の工事を進めているよ」

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佐藤「原子力発電所で使い終えた燃料は再処理工場に搬出することにしているけど、搬出されるまでの間は、原子力発電所の使用済燃料プールで冷却しながら貯蔵しているんだ。使用済燃料の貯蔵量に余裕をもたせるために、3号機の使用済燃料プールの貯蔵能力増強のための工事(リラッキング工事)などを進めているよ。使用済燃料を収めるラックの材質や位置を変えるからリラッキングと言うんだけど、2024年度にはすべての工事が完了する予定で、工事前と比べて使用済燃料622体分の貯蔵容量が増加するんだよ」

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佐藤「使用済燃料の発生量を減らすことを目的に、いま使っている燃料より長期間使用できて、定期検査で取り替える燃料を減らすことができる高燃焼度燃料を4号機で導入することにしたんだ。2025年度の導入を目指して、現在、国の審査を受けているところだよ」

 

Conちゃん、現場の人たちの日々の努力に感心する

Conちゃん

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佐藤「毎日、発電所内を歩き回ってパトロールをしているし、発電所を運転する中で変化がないか確認しているんだ。設備の健全性については、運転中の設備はもちろんのこと、事故対応で使用する設備についても定期的に試験運転を行って確認しているよ。それに、重大事故を想定した事故対応訓練を毎年繰り返し行って、緊急時の対応能力を高めているんだ」

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佐藤「原子力発電所をしっかりと運営していくためには、人材育成や技術継承も重要なんだ。だから、玄海原子力発電所の訓練センターを拠点にして、実際の設備を模擬して訓練用に作ったシミュレータでの運転技術の維持向上や、協力会社と一体となった保守技能の向上、経験豊富なOBの技術やノウハウを若手社員に伝えてもらう教育・訓練などにも取り組んでいるね」

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眞﨑「周辺地域の皆さんとのコミュニケーション活動の拠点として、玄海原子力総合事務所を開設したり、見学会や出前講座を実施したりするなど、さまざまなコミュニケーション活動を行っているよ。地域の行事にも積極的に参加して、顔の見える関係作りを目指しているの」

 

Conちゃん、原子力発電所の再稼働を考える

Conちゃん

玄海原子力発電所08

佐藤「原子力発電所は、原子炉に燃料を入れれば次回の定期検査まで燃料の入れ替えが不要。だから、他国の政情変化によるエネルギー資源をめぐる情勢などにあまり左右されず安定運転を行える長所があるんだ。一方で、放射性廃棄物処分場の問題など、ほかの電源にはない課題があるんだけどね」

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佐藤「再生可能エネルギーなどほかの電源にもそれぞれ一長一短あって、万能なエネルギーは現在のところ存在しないんだ。だから、一つの電源に偏らず上手に組み合わせて電力を安定してお届けしていくことが大切。その要素の一つとして原子力発電を安全に運転していくことが重要だと思っているよ。原子力発電所で働く所員は、日々、発電所内の設備の状態を間近で確認しながら各種点検や工事を行っているんだ。一人一人が安全性の向上に終わりは無いことを常に意識して、より安全性を高められる方策を検討して実施しているよ」

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眞﨑「日本が排出するCO2の約4割は、発電をするときに発生しているの。それは、発電時にCO2が出る火力発電の割合が高いから。発電時のCO2を減らすためには、CO2が出ない太陽光や風力などの再生可能エネルギーや、原子力発電の最大限の活用が必要になるんだよ」

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眞﨑「同時に、原子力発電に対して、安全性や放射性廃棄物処理の問題を不安に思っている方が多くいらっしゃるのも事実。カーボンニュートラルの実現に向け、不安に思われる方にも寄り添いながら、少しでも安心してもらえるようなコミュニケーションを取って、信頼関係を築いていくことが使命だと考えているよ」

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再稼働した原子力発電所は、何よりも徹底した安全対策が続けられ、地域の人たちが安心して暮らせることを最優先に運営されていた。

安定供給やカーボンニュートラルにも大きく貢献できる事実を知り、原子力発電への見方が少し変わったConちゃんでした。


取材協力:九州電力 玄海原子力発電所
https://www.kyuden.co.jp/genkai_index.html

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