2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕が目前に迫った3月6日、電気事業連合会のパビリオン『電力館 可能性のタマゴたち』の全貌がついに明らかに!関係者向けの内覧会にて、未来のエネルギーに関する体験展示が公開されました。電力業界ならではの視点で描く未来社会とは…?終始ドキドキ・ワクワク感で包まれた内覧会の様子を、Concent取材班が徹底レポートします!
『電力館 可能性のタマゴたち』は大屋根リングのすぐそば
大阪・関西万博会場の最寄駅である、今年の1月19日に開業したばかりのOsaka Metro夢洲駅の改札を抜けて会場に入ると、ほどなくしてシルバーに輝くタマゴ型のパビリオンが出現!大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」のそばにあり、ひときわ目を引くこのパビリオンが、電気事業連合会の『電力館 可能性のタマゴたち』です。テーマは「エネルギーの可能性で未来を切りひらく」。ここで、どんな“可能性”に出会うことができるのか、期待が高まります!
大阪・関西万博会場の東ゲートから入場し、2~3分ほど歩くと『電力館 可能性のタマゴたち』が目の前に!
パビリオンに近づくと、「本当にタマゴ型!」「どうやって作ったんだろう?」と、入館前から参加者たちは興味津々。『電力館 可能性のタマゴたち』の館長を務める岡田康伸さんによると、「外観はいろいろな形の平面を組み合わせた『ボロノイ構造』を採用しており、2100本超の鉄骨と352枚の不燃膜材を張り合わせて作っています」とのこと。この日はあいにくの曇り空でしたが、青空が広がる晴天の日は青みがかって見えたり、夕方には西日を浴びてオレンジ色に見えたりすることもあるそうです。
外殻に使われている不燃膜材は、閉幕後にはリサイクルして活用される予定です。また、パビリオン周辺の舗装路には、太陽光パネルの廃棄ガラスを活用した北陸電力開発の「インターロッキングブロック」が採用されています。その一部には能登半島地震で発生した廃瓦をリサイクルしたものも含まれており、環境にも配慮されている様子がうかがえます。
「タマゴ型デバイス」と一緒にエネルギーの可能性を探しに行こう!
はやる気持ちを押さえながら、いよいよ館内へ。中に入るとさまざまな色に光る「タマゴ型デバイス」が壁一面にずらり!この「タマゴ型デバイス」は来館者の体験に連動し、色が変化したり、振動したりして、未来のエネルギーの可能性を探すお手伝いをしてくれます。自分の好きな「タマゴ型デバイス」を手に取って、先へと進みます。
一人ひとつ「タマゴ型デバイス」をセレクト。展示内容と連動するふるまいは約50パターン!
館内は、パビリオンの世界観を感じられる「プレショー」、未来を切りひらく可能性を持った約30のエネルギーを展示する「可能性エリア」と、無数のLEDによる光や音とタマゴ型デバイスが連動するイマーシブショー(没入型展示)である「輝きエリア」から成る「メインショー」、図鑑をコンセプトにした空間でエネルギーに関する知識を学べる「ポストショー」の三部で構成されています。
まずは「プレショー」のエリアに進むと、私たちを取り巻くエネルギーの現状について映像が流れ、それに連動して、さっそくタマゴが点灯。暗闇の中でほわっと一斉に光る「タマゴ型デバイス」を見ていると、近未来感あふれるパビリオンの世界に引き込まれます。
「プレショー」で「タマゴ型デバイス」が光り始め、ワクワク感が一気にアップ
エネルギーって面白い!ドキドキ・ワクワク感がいっぱいの体験展示
次は、2階に位置する「メインショー」の「可能性エリア」へ移動。一歩足を踏み入れると、開放感あふれる空間に、ゲーム要素を取り入れた楽しそうな展示がたくさん並んでいます!
「メインショー」の「可能性エリア」には約30の体験展示が並ぶ
「潮流発電、波力発電、ペロブスカイト太陽光発電など、約30の体験展示をご用意しています。エネルギーの可能性は世の中にたくさんありますが、未来を変える技術やインパクトを重視して選びました」と岡田館長。中でも、「核融合発電の体験コーナーはどんな内容にするか、とても頭を悩ませました。ぜひ皆さんに体験していただきたいです」とのことで、まずは「核融合」の原理を体験するコーナーへ!
重水素と三重水素の原子核の融合によってエネルギーを生み出し、発電するのが核融合発電。エネルギー効率が高いだけでなく、発電時にCO2を出さず、さらに海水から燃料を取り出せるため、次世代エネルギーとして期待されています。「核融合」のコーナーでは、テーブル上に投影された赤色の重水素と青色の三重水素を模した光を両手で抱え込みくっつけるように「タマゴ型デバイス」に近付け、ポイントを集めていきます。成功すると音が鳴り、「タマゴ型デバイス」が色で反応。簡単そうに思えますが、自在に動く重水素と三重水素の光をタイミングよく集めるのが意外と難しい!終了後、「核融合の可能性を手に入れた!」のアナウンスのあとで表示される採点結果に、各参加者のテンションも上がります。
バラバラに動く光を集めるのは思ったよりも難しく、体験しながら徐々に本気モードに入る参加者たち
続いて、最大15人が一度に参加できる「振動力発電」のコーナーを体験。ここでは、暴走するタマゴが消してしまった街の灯りを、みんなで力を合わせて振動によるエネルギーを生み出すことで再点灯させます。タマゴが後ろを向いている間はその場で小刻みに足踏み、正面を向いたらストップ。反射神経が試される楽しいゲームで、振動力発電の可能性を体感!
「振動力発電」は体力と反射神経がゲームクリアの決め手!?
ほかにも、ケーブルで繋がれていなくても携帯電話や電気自動車に送電できる「無線給電」や電気をロスなく送る「直流送電」を体感するゲーム、電気を生み出すシビレエイの原寸大のレプリカなど、エネルギーへの興味がそそられる展示がいっぱい。参加者たちは、「大人でも楽しい!」「振動が電気に変わるなんてびっくり…」と話しながら、思い思いに楽しんでいました。
離れた場所へ電気を送る「無線給電」のコーナーでは、スティックでカーソルを動かしてボタンを操作。つい熱が入ります!
「直流送電」のコーナーでは、タイミングを合わせて海底ケーブルを模した3つのパーツの回転を止めてまっすぐに揃えると、正面の大きなタマゴへ光が飛ぶように点灯。電気を送るイメージを体感!
フロア内のすべての展示を楽しみたいところですが、「タマゴ型デバイス」が反応する時間は限られているため、後ろ髪を引かれる思いで「可能性エリア」の奥にある「メインショー」の「輝きエリア」へ。
真っ暗な部屋へと進むと、エネルギーの可能性や大切さを改めて伝えてくれる映像がお出迎え。さらに、合図に合わせて「タマゴ型デバイス」を優しく振ると…。前方の扉が静かに開き、そこには天井に吊り下げられた無数のLEDバーがまばゆいほどの光を放つ幻想的な空間が!
光と音に包まれる「輝きエリア」。未来を切りひらく命の輝きを表現している
鼓動のような音から幻想的でダイナミックな音楽へと展開するサウンドに合わせ、LEDバーの光が織り成す約4分間の光のショーは、息をのむほどの美しさ。包み込むようなサウンドと輝きに呼応するかのように、「タマゴ型デバイス」も優しく光を放ち、振動します。「未来を切りひらくエネルギーの輝き」を表現する荘厳なクライマックスに感動!
まるで図鑑の世界!?エネルギーの学びが深まるポストショー
パビリオンの体験を締めくくる「ポストショー」では、エネルギーの可能性をパネルでわかりやすく解説。図鑑をコンセプトにした空間で、一つひとつの項目をじっくり読みたくなります。「『核融合』や『ヒートポンプ』という言葉を初めて聞いた方にもわかりやすいように解説を工夫しました。この文章を考えるのもすごく大変だったんです」と準備期間を振り返る岡田館長。「可能性エリア」で体験した内容と解説文がリンクし、「そういう仕組みで発電されるのか!」とエネルギーに関する理解をさらに深めることができました。
壁一面のパネルでエネルギーに関連する用語をわかりやすく解説
「まずはエネルギーに興味を持ってもらいたい」岡田館長が抱負を語る!
内覧会の最後に、岡田館長から開幕に向けた抱負を語ってもらいました。「エネルギーには少し難しいイメージがあるかもしれませんが、まずは来館する方々に興味を持っていただけるよう、エンターテインメント性あふれる展示を用意しています。一人でも多くの方に来場いただき、ドキドキ・ワクワクする体験を通して、未来のエネルギーの可能性を身近に感じてもらいたいです」と言葉に力がこもります。
構想から3年半以上かけてパビリオンが完成。岡田館長は「山あり谷ありでした」と充実の表情で振り返る
『電力館 可能性のタマゴたち』の観覧所要時間は約45分を想定。完全予約制ですが、枠に空きがあれば当日の予約もOKとのこと。また、5月10日(土)には「パビリオンデー」として、屋外ステージで大規模なイベントも予定されています。楽しい体験を通してエネルギーの可能性を身近に。“可能性のタマゴたち”を探しに皆さんもぜひ!
企画・編集=Concent 編集委員会