テレビやネットのニュースなどで話題になる、電力需給の状況。家でも節電をしたいけれど、照明やテレビを消す以外にどんなことをしたらいいのか、わからない方も多いのではないでしょうか。そこでこのコラムでは、料理や掃除など、家事の中でできる節電術を紹介します。
家事に使う電気はどれくらい?
経済産業省の家庭向け資料「夏季の省エネ・節電メニュー」によると、太陽光発電の出力が減少し、電力需給が厳しくなる時間帯にもっとも電気を使うのはエアコンで、全体の38.3%。また、冷蔵庫は12%、炊事は7.8%、給湯は3.1%、洗濯機・乾燥機が1.8%と、家事でも、電気は多く使われています。また電気が特に使われる時間帯は、全体では13時~17時頃の日中ですが、家庭では18時頃から消費量が上がります。家では、日中の暑い時間帯だけでなく、夜の消費量にも注意が必要です。
冷蔵庫は詰め込み過ぎに注意!
では実際に、家事の中でどのように節電ができるのでしょうか。たとえば、毎日の料理に欠かせない冷蔵庫も、工夫次第で節電ができます。ポイントは、ものを詰め込み過ぎないこと。詰め込んだ冷蔵庫の食材を半分にすると年間で電気43.84kWhの省エネ、約1,180円分、節約できます。ビン詰めなど常温で保存できるものは外に出したり使わない食材を処分したりして、冷蔵庫を整理しましょう。
温かい食べ物は冷ましてから冷蔵庫へ。庫内の温度を「強」から「中」や「弱」にする、無駄な開閉をしないのも節電のポイントです。冷蔵庫を壁から離して設置するのも節電術のひとつ。上と両側が壁に接している場合と片側が壁に接している場合を比較すると、それだけで年間で電気45.08kWhの省エネ、約1,220円の節約ができます。
まだまだある!キッチンでの節電術
便利な食器洗い乾燥機も、賢く使って節電しましょう。食器の点数が少ないときは少量コースを使う、扉をあけて余熱で乾燥させるのも、節電のコツです。
ガスコンロやIHクッキングヒーターは、鍋にフタをして調理するとエネルギーのムダを抑えられます。食材を小さめに切ったり圧力鍋を使ったりすると、加熱時間を短縮できるのでおすすめです。
炊飯器を使うときは、長時間の保温に注意。3合炊いて1.5合を食べて残りを保存する場合、保温時間が4時間を超えると、電子レンジで温めなおしたほうが節電になります。電気ポットでお湯を沸かしておくときは、低めの温度で保温して必要なときに再沸騰させると節電に。長時間使用しないときはプラグを抜きましょう。
洗濯はまとめ洗いが正解!
洗濯機を使うときは、少量の洗濯物を毎日洗うよりも、まとめて洗ったほうが節電できます。容量の4割を入れて洗うより、8割入れて洗う回数を半分にするほうが、年間で5.88kWhの節電になり、水道代と合わせると年間で約4,510円、節約できます。乾燥機も同様に、まとめて乾燥して回数を半分に減らすことで、年間で41.98kWhの節電、約1,130円の節約が可能です。
乾燥機に頼りすぎず、自然乾燥も活用するとベターです。乾燥機のみで乾燥させるより、自然乾燥8時間後に未乾燥のものを補助乾燥するほうが、年間で約10,650円、節約できます(2日に1回使用)。
毎日の掃除でも、省エネが大切です。部屋を片付けてから掃除機をかけると、使用時間を短縮できます。ゴミが取れにくいじゅうたんは「強」、吸い込む強さを変えても取れるゴミの量がほぼ変わらないフローリングは「弱」にするなどして、モードを変えると経済的です。パックやダストカップにゴミが詰まった状態だと吸引力が落ちて消費電力量が増えるので、ゴミはこまめに捨てましょう。
省エネ家電への買い替えも選択肢に
省エネ家電に買い替えるのも、節電のひとつ。冷蔵庫は10年前と比べて約40〜47%の省エネを実現するなど、家電の効率性は大幅に向上しています。家電を買い替えるときに省エネタイプを選ぶのも、家でできる節電術です。環境だけでなくお財布にも優しい節電生活、今日から始めてみませんか?