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「電気の安定供給を支える縁の下の力持ちに」関西電力・小崎一歩さん

2019.02.04

【今月の密着人】関西電力株式会社 送配電カンパニー 大阪南電力本部 配電グループ 小崎一歩(おざきかずほ)さん(27歳)

私たちの暮らしに欠かせないエネルギー。便利な暮らしを支えてくれるエネルギー業界の現場では、女性も重要な戦力として活躍しています。彼女たちがどんな仕事をしているのか、どんな思いを持っているのか、その仕事ぶりにスポットを当てます。プライベートとのギャップにも注目!


大阪の電気を守る責任とやりがいで日々、充実

今回密着したのは、関西電力の入社3年目になる小崎一歩さん。発電所で作られた電気を私たちの元に届ける役割を担う送配電カンパニーに所属し、入社後2年間は、現場第一線である南大阪配電営業所で経験を積んだ。

2018年6月からは、大阪南部エリア一円を管轄する大阪南電力本部に所属。周囲を和ませる柔らかな笑顔と朗らかな雰囲気が魅力的な彼女は、テキパキとした仕事ぶりで着実にキャリアアップを図っている。


キュートな佇まいながら、仕事はテキパキ。小崎さんは、男性社員が多い職場でも存分に活躍している

大阪で生まれ、理系女子として育った小崎さん。大学は、工学部の電気情報システム工学科に進学した。

小崎さん「大学で電気を選んだのは直感です(笑)。でも、就職先はしっかり考えました。当初は大学で学んだ事を生かして社会に貢献したいという気持ちがあり、他業種の研究・開発職のインターンシップに参加しました。しかし、インターンシップを通じて、『私はもっとお客さまに近いところで働きたい!』と、自分の思いを明確に認識することができました」

そうして、地域の暮らしや社会を支える、関西電力への入社を果たしたのだ。

小崎さん「電力会社で、お客さまに近い仕事は『配電部門』(変電所から電柱の電線を通じて電気を届ける業務)かなと。その上で、できれば愛着のある地元・大阪で働きたいと思い、関西電力の配電部門を志望しました。また、会社説明会で先輩社員が、『地域の人々の生活を守ることが、私たちの使命です』と語っていたのも印象的でしたね。熱い思いとプライドが伝わってカッコイイ!と感動し、より強くここで働きたいと感じたのを覚えています」


現在小崎さんが所属する大阪南電力本部が入っている関西電力大阪支社ビル

強い意志を持って、希望する道へ。実際に配電の仕事に就いて感じたこととは。

小崎さん「最初に配属された南大阪配電営業所では、電柱の保守・点検業務や、お客さまの家を訪問しての調査や工事を担当しました。また、後半は電柱などの配電設備の設計や運用にも携わりました。お客さまに電気をお届けする最前線で、自分たちがこの町の明かりを守っているんだ!という責任感とやりがいを日々感じていましたね」

仕事で重要なのは丁寧なコミュニケーション

大阪南電力本部に異動して約半年。現在は、大阪南部にある6つの配電営業所が行う、日常業務の進捗管理を担当している。家やビルなどに設置され、電気の使用量を計測している電力量計(メーター)は一定年数ごとに取替えることが定められており、その取替工事を計画通りに進めることが、現在の小崎さんの任務だ。

小崎さん「毎月、難波・東住吉・羽曳野・東大阪・南大阪・岸和田の6つの配電営業所から提出される工事実績を確認し、順調に進んでいなければ担当者と一緒になって原因と対策を考えます。理由はさまざまですが、例えば、台風の被害が大きく復旧作業に時間がかかってしまい、当初予定していた取替工事に遅れが生じてしまうことなどがあります。そういった場合は、他の配電営業所に応援を要請してリカバリーに必要な人員を手配するなどにより工事ペースを上げ、遅れを取り戻すようにしています」


普段はデスクワークが中心。関係各所との電話・メールのやり取りや、資料の確認、作成などに当たる

また、「スマートメーター」にまつわる業務の取りまとめも小崎さんの担当だ。スマートメーターとは通信機能を持った電力量計(メーター)のことで、スマートメーターの導入は、電気料金のメニュー変更の円滑化や、電気使用量の検針作業の効率化など、多くのメリットをもたらしている。関西電力では全国に先駆けて2008年度に導入を開始して以降、導入台数は2018年9月末時点で管轄する全利用者の約8割に相当する1000万台を突破した。

小崎さん「スマートメーターの導入に伴い、現場の環境は今も日々、目まぐるしく変化しています。これまでになかった機器の操作が必要になったり、引き継ぎを受けた業務の運用方法が変わったり……。そういった状況の中で、私は、全社を統括する本店と実際に現場を取り仕切る配電営業所との間に立って、橋渡し役として業務の進捗管理を行っています」


現場からの確認や問い合わせに素早く対応するため、電話が手放せない

入社3年目で6つの配電営業所を管理する立場にある小崎さん。任務を遂行するためにどういったことを心掛けているのだろうか。

小崎さん「さまざまな方との調整が多いので、常に相手の立場に立って考え、行動するよう気をつけています。依頼や報告をする前には、必要な情報が漏れていないかを何度もチェックするようにしています」

つい最近まで彼女自身も配電営業所で勤務していたため、現場の状況は具体的にイメージできる。その強みを生かして、新たな任務と向き合っているようだ。

小崎さん「例えば、業務で少しでも疑問に感じた場合は、一度関係箇所に詳細を問い合わせます。しっかり内容を擦り合わせてから、分かりやすい形に整えて、配電営業所に伝えるようにしています。メールや電話だけだと難しいこともあるので、直接会って説明することもあります。丁寧なコミュニケーションこそ、スムーズな業務進行のカギです」


一緒に仕事をする上司や仲間とは頻繁に集まり、互いの状況を共有することを大切にしている

新たな環境に臆することなく、前向きに取り組む日々。プレッシャーはありつつも、大きなやりがいを感じているという。

小崎さん「各配電営業所と密に連携を取ることで、工事計画の遅れを取り戻せたり、業務の分担や作業の効率化がうまく図れたりすると、ホッとしますし、手応えを感じることができてうれしいです。現場で作業していたころのように、お客さまと直接話す機会は少なくなりましたが、今は違う形で暮らしや社会を支える一翼を担っているのだと実感しています」


仕事の合間には、チームの上司や先輩とラウンジで談笑。いつも温かくサポートしてくれて心強いという

常にお客さまのこと、現場のことを考えながら成長したい

自分なりに工夫して仕事に取り組み、結果にもつながっている。それでもまだまだ、未熟さは感じているそうで……。

小崎さん「知識や経験の不足は日々痛感していて、同じチームの上司や先輩方をはじめ、配電営業所の先輩方に助けていただくことも多いです。だから、もっといろいろな業務を経験して知識と視野を広げ、周囲から頼られるような存在になっていきたいです」


特に、会社としても力を入れている、スマートメーター関連のスキルアップが自身の課題だと話す小崎さん

仕事では、大都市・大阪を舞台に忙しく過ごす。その分、休日は豊かな自然を求めて旅に出ることが多い。

小崎さん「最近は沖縄と屋久島に行きました。旅行先では、ダイビングやトレッキングなどを楽しんでいます。自然にどっぷりつかって、美しい景色を見ること、その土地のおいしいものを食べることが何よりのリフレッシュになっていますね」


屋久島を訪れたときの一枚。有名な屋久杉までの道のりは大変だったものの、雄大な自然に包まれて大感動したそう

これからも、人々に電気を届ける仕事を突き詰めていきたいと小崎さんは言う。

小崎さん「お客さまが安全に、安定した電気をお使いいただけることを第一に。そのために自分にできることは何かを考え、実践していきたいです」