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【シェアハウス編第4話】電気の需要と供給! 電力会社が陰ながら調整している 「同時同量」って何?

2018.08.15


【コラム】多くても少なくてもダメ! 電力会社が行う「同時同量」の重要性

いつも変わらない生活を送れているのは、陰から支えてくれる人たちのおかげ――そのありがたさをしみじみと感じたえみりちゃんですが、日本の電力会社も実は私たちの生活を陰から支えてくれています。

発電所で作られた電気は大量に蓄えることができないため、皆さんが電気を使う量と同じ量の電気を、常に同時に発電しなければなりません。

電気の品質を表す数値に、「周波数」というものがあります。品質の良い電気を安定して送り届けるためには、この周波数を常に一定(東日本:50Hz、西日本:60Hz)に保つ必要がありますが、電気の使用量に対して発電量が足りなければ周波数は下がってしまい、逆に発電量が多ければ、周波数は上がってしまいます。

こうした周波数の乱れは発電所の発電機や工場のモーターに悪影響を与え、最悪の場合は停電に至る恐れもあります。そのため、上述の通り電力会社は常に過不足のない発電を行う必要があり、この発電する電力量と消費する電力量を常に一致させることを「同時同量」と言います。

電力の需要は、季節ごとはもちろんのこと、1日の中でも変化します。近年は冷房の普及により、夏の昼間に需要のピーク(最大電力)を迎えますが、最も消費の少ない明け方と比較すると、なんと約2倍となります。

◆最大電力発生日における電気の使われ方の推移

出典:電気事業連合会「電気事業のデータベース(INFOBASE)」

電力会社は、過去の膨大なデータを基に、必要な量を予測し、再生可能エネルギー、火力、原子力などさまざまな発電方法を組み合わせ、需要と供給が一致するよう、数秒単位で調整しながら発電しています。

また、導入拡大を進めている再生可能エネルギーには、CO2を排出しないなどさまざまなメリットがある一方で、季節や天候によって発電量が大幅に変動してしまうという特徴があります。そこで、電力会社は安定して電気を送り届けるため、火力発電などの発電量を調整し、需要と供給のバランスが崩れることを防いでいます。

今使っている電気は、今作られた電気。蒸し暑い日にエアコンのスイッチを入れる際には、同時同量を意識してみてはいかがでしょうか。

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